友達からプレゼントをもらったら、プレゼント自体も嬉しいですが、プレゼントという行為をしてくれた友達の気持ちが嬉しいですよね。
反対に、友達にプレゼントするときは、友達の喜ぶ顔を想像しながら、相手のことを考えてプレゼントを選ぶと思います。
また、友達が困っていたら、自分に多少のリスクがあろうとも手を差し伸べてあげようといく気持ちになったことがある方もおられるかもしれません。
これらのやりとりには、相手のご機嫌をとったり、何か見返りを求めたりという気持ちはなく、純粋に相手に喜んでもらいたい、力になりたいという気持ちだけがあります。
この絵本からは、そういった友情の素晴らしさ、人を想う気持ちを再認識させてもらうことができます。
こうさぎから始まった友達の輪
このお話は、こうさぎがお腹が空いたところから始まります。
お腹が空いたこうさぎは、外に食べ物を探しに行き、雪に埋もれたニンジンを二本見つけるのですが、こうさぎ自身はニンジン一本でお腹がいっぱいになりました。
そこで、こうさぎはこうまくんにニンジンを届けてあげようと、こうまくんの家へ向かいます。
自分で探した食べ物ですが、必要な分だけいただいて、寒くて雪が降っていてこうまくんが食べ物がなくなって困っているかもしれないと考えて、残りの一本は友達に届けようと考えます。
友達思いの優しいこうさぎです。
こうまくんがいない!
こうさぎがニンジンをこうまの家に届けに行ったとき、こうまは雪の中、食べ物を探していました。
こうさぎはこうまが留守だったので、そっとニンジンを置いて帰っていきました。
こうまはこうまで、大きなカブを見つけて食べて、お腹いっぱいになって家に帰りました。
家に帰るとニンジンが置いてあり、こうまはこうさぎが持ってきてくれたのだと気付きました。そして、こうさぎは優しいなぁと思いました。
ニンジンリレー
お腹がいっぱいのこうまは、こうさぎからもらったニンジンをひつじにあげようと考えました。
ところが、ひつじはひつじで自分で食べ物を見つけていましたので、食べ物には困っておらず、こうまの気持ちだけを受け取り、ニンジンはこじかにあげようと考えます。
ですが、やはりこじかはこじかで自分の食べ物を見つけていましたので、ひつじの気持ちだけ受け取り、ニンジンはこうさぎにあげようと考えました。
ニンジンはこうさぎのもとへ
こじかがこうさぎの家に行くと、こうさぎは眠っていましたので、こじかはこうさぎが起きるのを待ちました。
こうさぎが目を覚ますと、こじかは、こうさぎがお腹を空かせると思ってニンジンを届けにきたと言いました。
こうさぎが見つけたニンジンは、最後にはこうさぎのところへ戻ってきました。
ニンジンが運んでくれたもの
このお話では、友達思いの動物たちが、困っているかもしれない友達のためにニンジンを届けるのですが、みんなそれぞれに自分の食べ物は自分で見つけていたので、食べ物としてのニンジンは必要ありませんでした。
しかし、ニンジンを通して、ニンジンを届けてくれた友達のことを優しいなぁと感じたり、他の友達が困っているかもしれないので、届けてあげようという友達を思う気持ちが出てきたりします。
本当に優しい動物たちがたくさん登場しますし、柔らかいタッチの絵ですので、読んでいてほっこりしてしまいます。
純粋な友情を描いたお話ですので、子供たちにも友情の素晴らしさを感じてもらえる一冊ではないかと思います。
目に見えない友情をニンジンを通して子供たちにも伝わるように表現してくれているオススメの絵本ですので、ご興味のある方は図書館で探してみてください。
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