サブスクリプションとの上手な付き合い方
近年、サブスクリプションのサービスが急激に増えています。サブスクリプションとは、商品やサービスを購入するのではなく、料金を支払ってサービスを利用する販売形式のことを指します。
サブスクリプションのサービスを利用することで、必要なサービスを、必要な時に、必要な分だけ利用することができるというメリットがあります。
また、提供者側にとっては、魅力的なサービスを提供し続けて、利用者に継続的にサービスを利用してもらうことで、安定した収益を得ることが可能となります。
サブスクリプションは、まさに「いいとこ取り」の仕組みとも言えますが、そこには気をつけておきたい落とし穴もあります。そこで今回は、そんなサブスクリプションと上手に付き合っていくために、知っておきたいことについてお伝えしていきます。
サブスクリプションのメリット
現在、多くのサービスが存在していることからもわかるように、サブスクリプションのサービスには購入型と比べた場合におけるメリットがいくつかあります。まずはサブスクリプションのメリットを考えていきます。
初期費用が安い
一般的にサブスクリプションのサービスは初期費用がほとんどかかりません。月額や年額といったサービス料金を支払うことで、サービスの利用を開始することができます。
例えば、写真や動画をオンラインで保存できるようなストレージサービス。サブスクリプションで利用する場合には、最初の支払いは1ヶ月分であったり、1年分の費用のみですが、物理的なハードディスクを用意する場合には、高額な費用が発生します。
信頼性が高い
先ほどのようなストレージサービスを利用した場合、データはしっかりとバックアップが取得されたような環境で保存されていますが、自宅にハードディスクを設置する場合には、機器の故障や災害によってデータを消失するリスクが格段に上がってしまいます。
また、映画を配信しているようなサービスを契約していれば、DVDのようなメディアを保有する時のような破損や紛失といった心配はいらなくなります。
このように、自分で資産を保有しないことで、安心してデータを保管したり、コンテンツを楽しむことが可能となります。
必要に応じた利用が可能
サブスクリプションサービスを利用すれば、短期的に必要なものを使用することができます。
実際に私が利用した例を紹介します。
何年か前に、私の子供が運動会で逆上がりをするということになったので、本番で成功できるよう特訓をしようということになりました。
しかし、近所の公園には鉄棒がなかったため、ネットで家庭練習用の鉄棒をレンタルできることを知り、1ヶ月レンタルをしました。そして、朝や夜のちょっとした時間を利用して練習を重ねた結果、本番では見事な逆上がりを披露することができました。
近所の公園に鉄棒があったとしても、仕事のある平日はなかなか付き合ってあげることができなかったでしょうが、自宅に鉄棒を設置しているとなると、毎日十分な練習時間を確保することができました。
自宅に鉄棒があるというのは、猛特訓するにはとてもいい環境ではありますが、場所も取りますので、いつまでも置いておくとなると邪魔で仕方ありません。ですが、レンタルであれば、用が済めば返却することになりますので、処分に困るということもありません。
鉄棒の他にも、竹馬などのレンタルもあるようですので、こういったものを利用するというのもサブスクリプションサービスの上手な活用方法ではないかと思います。
サブスクリプションのデメリット
先ほどはサブスクリプションのメリットを挙げましたが、サブスクリプションならではのデメリットも存在するように思います。ここからはサブスクリプションのデメリットについて考えていきます。
価格改定がある
サブスクリプションのサービス提供する事業者の方針によって、価格改定が行われる可能性があります。簡単に解約できるものであれば問題ないのですが、サブスクリプションサービスが欠かせなくなってきた頃に価格改定をされてしまっては、事実上、解約という選択肢がなく、値上げを受け入れざるを得なくなってしまいます。
身近なところでは、MicrosoftのOffice365のようなサービスの価格改定があります。仕事で欠かせないツールであるOfficeが価格改定をするとなっても、別サービスに移るわけにもいかないでしょう。
また、何年か前に、Adobe製品が製品購入型ではなく、サブスク形式に変わったことで、PhotoshopやIllustratorといったソフトを利用していた法人・個人がサブスクリプション契約をせざるを得なくなりました。なぜかというと、PhotoshopやIllustrator独自の拡張子でファイルを保存するため、別のソフトでは編集できないためです。
MicrosoftやAdobeのように、顧客の囲い込みに成功した企業にとって、サブスクほど都合の良い契約形態はないのではないでしょうか。
自分の所有物ではない
メリットで挙げた鉄棒のように、物を借りるような場合には、他人の物を利用していることから、破損や紛失といったことに十分気をつける必要があることもデメリットとしてあります。
最近では、家具のレンタルなども行われるようになっていますが、色を塗ってみたり、少し改造を加えてみたりと独自のアレンジをすることは許されません。転勤族の方などにとっては、家具のレンタルは便利なサービスかもしれませんが、自由度が低いという欠点も併せ持っています。
結局サブスクを利用すべきなのか?
サブスクリプションのメリット・デメリットについてみてきましたが、最後は、結局サブスクを利用した方がいいのかどうかということについて考えていきたいと思います。
結論としては、利用した方がいいこともあるし、しない方がいいこともあるということになります。
ここまで述べてきたように、サブスクには、さまざまな特徴があります。ですので、それぞれの要件に応じて、メリットが勝ることもあれば、デメリットが勝ることもあります。また、一見するとサブスクにした方がメリットばかりという場合でも、所有するという優越感を味わいたいのであれば、購入した方がその人にとってはいい選択と言えることもあります。
つまり、持ち家派と賃貸派がいるように、サブスク派と所有派が存在するのです。サブスクのメリットとデメリットを十分理解した上で、両方の選択肢があるものに対して、自分の満足度が高いのはどちらであるかということを考えて選択を行うことが、サブスクリプションとの上手な付き合い方と言えるのではないでしょうか。
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