みなさんのお子様は、干支についてご存知でしょうか?日頃あまり干支の話をすることがないという方も多いかもしれませんね。
今回ご紹介する絵本では、威張りちらす十二支が嫌いだったたぬきが、十二支をこらしめようと企てます。
十二支とタヌキ軍の戦いがコミカルに描かれており、お子様も気に入ってくれること間違いなしのお話です。
楽しいお話を通じて、干支をより身近に感じてもらえる作品です。
たぬきの果たし状
このお話はたぬきが十二支に対して果たし状を送りつけるところから始まります。
たぬきは威張っている十二支が嫌いで、特にいぬのことが大嫌いです。
そこで、満月の夜に、山の上での決闘を申し込みました。
たぬきだけでは戦えないので、仲間を集めますが、みんなで宴会をしてとても戦えそうに内容なメンバーです。
そこにとても強そうな十二支がやってくる様子はなんだか滑稽で、これからどうなるんだろうと思わせてくれます。
戦いの幕開け
役者が揃ったところで戦いが始まるのですが、なぜか最初にたぬきといぬがラップ対決を始めます。実際にラップ調で読んであげるとお子様が必ずと言っていいほど喜んでくれるであろう場面で、子供を飽きさせないコミカルさが満載です。
え、ラップで勝負を決めるの?と一瞬思いますが、その後からはちゃんとした戦いが始まります。
一進一退の攻防からのたつの一撃
勝負は十二支優勢で始まりますが、たぬき軍も負けてはいません。
一進一退の戦況で、このまま勝負がつかないのではないかという両軍の戦いぶりです。
そこで、苦戦する十二支の大将のたつが登場して、たぬき軍をまとめて吹き飛ばしてしまいます。
たぬきの本気
やはり十二支は強かったということで、このお話が終わるのかと思いきや、たぬきはまだ諦めていませんでした。
たぬきは、金の化け葉っぱを使うと言って、みんなの力と体を貸してほしいと言います。
みんなが体の一部をたぬきに使わしてあげると、なんということでしょう。たぬきはめちゃくちゃ強そうな謎の怪獣に変身します。
そして、たつとの最終決戦に望み、勝利を納めます。
勝利を納めたたぬき軍
大将のたつが負けたことで、十二支は自分たちの負けを認め、今日から十二支はたぬき軍のメンバーがなるのがいいと言います。
しかし、たぬきはその提案を断ります。
十二支とは違う自分たちだけの新しいグループを立ち上げることを思いつき、みんなもそれに賛成するというところでお話が終わります。
たぬきはなぜ決闘を申し込んだのか?
たぬきは十二支になりたいわけではなかったということですが、それではなぜたぬきは十二支に決闘を申し込んだのでしょうか?
たぬきはみんな平等だという考えを持っていて、みんなで楽しく暮らすことが幸せだと思っていたので、神様の使いだからという理由で、十二支に偉そうにされるのが嫌だったのだと思います。
だから、十二支に勝利を納めて、十二支になっていいと言われても、そんなものに興味はなく、キッパリと断って、楽しそうなグループを立ち上げたのでしょう。
立場を利用して偉そうにしている人も多い世の中ですが、この絵本のたぬきのように、自分の価値観を大切にできるようになると、私たちももっと幸せになれるのになと思わせてくれた一冊でした。
絵も、ストーリーも、本当に素敵で、お子様にも喜んでもらえると思いますので、ご興味のある方は図書館で探してみてくださいね。
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