3Dプリンターは未来を劇的に変えていくテクノロジー

テクノロジー

何年か前から「3Dプリンター」という言葉を耳にするようになりました。この言葉を聞き始めた頃というのは、日本でも拳銃を製造したというネガティブな事件があったり、プラスチックやゴムのような素材でしか印刷ができないというようなものでしたが、今や3Dプリンターは私たちの想像を遥かに上回る進化を遂げているのです。今回はそんな3Dプリンターの「今」と「未来」について解説していきます。

【参考書籍】
《2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ(NewsPicksパブリッシング)ピーター・ディアマンディス&スティーブン・コトラー》

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3Dプリンターは作れないものはなくなってきている

3Dプリンターと聞くと、プラスチックやゴムで立体なものが作れるんでしょうというぐらいに思っている方も多いかもしれませんが、3Dプリンターは今や圧倒的な進化を遂げているのです。

現在の3Dプリンターは元素周期表をほぼ制覇しており、金属、ゴム、プラスチック、ガラス、コンクリートといったものにとどまらず、細胞、皮革、チョコレートのような有機材料まで、数百種類の材料をフルカラーで印刷できるようになってきているのです。

このような3Dプリンターの進化で世の中は大きく変わっていくことが予想されています。ここからは3Dプリンターがどのような発展を遂げ、どのように世の中を変えていく可能性があるのかについて解説していきます。

欲しいものが欲しいときに欲しいところで手に入る

3Dプリンターは欲しいと思ったものを簡単に作ることができますので、一家に一台3Dプリンターが設置されるようになれば、ネットで欲しい商品を注文したらわざわざ宅配を待っていなくてもすぐに印刷して出てくるようになるかもしれません。

メリットはそれだけではありません。宅配を待つ時間がなくなるということは、輸送ネットワークが不要ということになりますし、売り手は在庫を持つ必要がありませんので倉庫がいらなくなります。その結果、売れ残ったものを廃棄するといったこともなくなるため、環境問題にとってもメリットがあるのです。世界的な共通目標として掲げられているSDGsの達成にも3Dプリンターは大きく貢献してくれる可能性を秘めています。

世界中のものをいつでも取り寄せることができる3Dプリンターですが、その活躍の場は地球上にとどまりません。宇宙ステーションでも必要なものを瞬時に取り出すことができますし、人類の火星移住計画が進んだときにも地球から火星に欲しいものを簡単に送ることができます。

医療にも活躍の場を広げる3Dプリンター

驚くべきことに、3Dプリンターは移植用の臓器も作るようになってきているのです。

すでに2002年の段階で、血液をろ過して尿を作る能力を持った世界初の人工腎臓が3Dプリンターで作られたという実績があります。そして2010年には、世界で初めて血管が印刷され、現在では毛細血管も印刷できるようになってきており、2023年には3D印刷された臓器が市場に登場すると予想されているのです。

目や耳を疑いたくなるような話ですが、こういったことが実際に近づいてきているという事実があることは知っておいて損はないと思います。

家が印刷物となる時代がやってくる?

毛細血管のような細かい部品まで寸分の狂いもなく印刷できる素晴らしい技術を搭載した3Dプリンターですが、印刷できるものは細かい小さなものだけにとどまりません。

なんと家まで印刷することができるようになってきているのです。

2014年には中国で10件の戸建て住宅を24時間以内に建てたという事例があります。この時の1戸あたりのコストは5,000ドル以下というのですからビックリです。

2014年から時が流れ、その進化はさらに加速しています。同じく中国で5階建ての集合住宅を週末だけで印刷したり、57階建ての高層ビルを19日で建てたという話があります。

このような話は中国だけではありません。2019年にはカリフォルニアのマイティ・ビルディングが3Dプリンティングとロボティクスと材料科学と融合し、アメリカの建築基準法を満たす戸建て住宅を人件費は業界平均の10分の1、最終価格は3分の1で完成させるという初の試みをやってのけたのです。

このテクノロジーの発展により、被災地に住宅を低コストで即日提供することが可能なったりしているため、3Dプリンターが私たちの生活がより安心できるものにしていってくれています。

3Dプリンターが私たちの生活にやってくる

ここまで紹介したように3Dプリンターの実用的な利用用途は増えてきているため、遠くない未来に私たちの生活に欠かせないものとなることが予想されます。

3Dプリンターで臓器や家を作って実際に使うなんて怖いと思う方もおられるかもしれませんが、それが当たり前となる時代がすぐ目の前まできていることも事実です。今よりも安全で豊かな暮らしができるようになるためのテクノロジーであることは間違いありませんので、新しいテクノロジーについて少しずつ学んでいき、来たるべき日に備えていきましょう。

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