あの天才物理学者アインシュタインが「人類最大の発明」と称したものをご存知でしょうか?それはかの有名な相対性理論ではなく「複利」なのです。あなたはアインシュタインがそこまでいう複利の力をどれぐらい理解しているでしょうか?「人類最大の発明」を私たちも活用してより良い人生にしていきたいですよね。そこで今回は複利についての解説をしていきますので、最後までお付き合いください。
複利の仕組み
複利というのは、元本について利子がさらに利子を生むということを指す言葉です。元本についた利子を買い物に使うのではなく、運用にまわすことで利子として受け取ったお金にも利子がつくという運用をすることです。反対の言葉に「単利」という言葉があります。単利は、最初の元本のみが利子を生むという、利子を運用しないという考え方です。受け取った利子を使ったり、現金で持っておくということが利子の単利運用と言えると思います。
複利の力は運用期間が長ければ長いほど効果を発揮します。長期間で資産運用をした場合には単利と複利では大きな差が発生します。その差は同じ利率で複利と単利でのシミュレーションをしてみると歴然です。下記に100万円を年利5%で30年を運用した場合のシミュレーションを紹介します。
【100万円を年利5%で30年運用した場合】
単利運用:2,500,000円
複利運用:4,321,942円
その差はなんと180万円以上となります。
元本は同じ100万円なのに、運用方法が単利か複利かの違いだけで30年で180万円以上の差が生まれるのです。
そして着目してもらいたのはグラフです。運用期間が短ければ、単利と複利の差はそこまで大きなものとなりません。複利では利子が利子を生むため、利子がつく元本が徐々に大きくなっていくため期間が長ければ長いほど両者の差は広がるのです。時間の経過を見方につけて資産を増やしていくというのが複利の仕組みなのです。
複利のすごさがわかるエピソード
複利の力を活用するために必要な利息の仕組みについてですが、これまで多くの宗教が禁止にしていたという歴史があります。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教は利息を取ることを禁止していました。イスラム教については現在でも表向きは利息を取ることを禁じています。また、ユダヤ教は同胞から利息を取ることは禁止しています。
高利貸しからお金を借りると借りたお金の何倍ものお金を返していかなければならないということはよくある話ですが、利息には人の人生を壊してしまうぐらいの力があるのです。反対に利息を受け取る側にとっては、多くのお金をもたらす仕組みといえます。
聖職者たちはそんな利息の力を理解していたのか、同胞から利息を取ることを禁止した上で異教徒から利息を取ることは許可したりして、体制の維持に利用していたのです。現代の資本主義社会において、富める者がさらにお金を得ることができるのは、保有する金融資産の利息によるところが大きいことを考えると、強大な力を持つ者の出現を恐れていたという一面もあったかもしれません。
利息の力というのはそれだけ大きなものですし、その力を最大化することのできる複利というのは聖職者たちにとっては脅威以外のなにものでもなかったでしょう。
複利効果を得るための心構え
ここまでの説明で複利の効果についてはご理解いただけたと思いますが、ここからは世の中に複利の力を利用できる人とそうでない人がいることについてお話します。
複利の力を知っていても利用しない(できない)人というのは、長期的な視点で物事の判断を行っていないということが多いです。
先述したように、複利の効果は時間が経過すればするほどその威力を発揮します。それなのに目先の利益や欲望に目を惑わされてしまう人は大きな結果が出るとわかっていてもなかなか複利の運用に資産を投じることができないのです。
そんな方にオススメなのは、少額から積み立てて運用することです。名著「バビロンの大富豪」でも言われているように、収入の10%を貯蓄に回してそこから複利の運用を始めることが生活レベルを落とさずに堅実な資産運用ができる方法の一つであると思います。
現在は積立NISAのような資産形成をする上で有効な制度もありますので、そのような制度を活用することにより、より効果的な資産運用をすることが可能となります。
時間の経過を見方につける複利の仕組みを活用するには兎にも角にも早く始めるということが大切です。誰もが最初から多くの資産を持ってスタートをすることができません。資産家の一族であってもどこかの時代で誰かが0から財を築き始めたものを継承しているのです。
少額でもいいので最初の一歩を踏み出すことで複利の効果を体感することができますので、まだ何もしていないという方は、雪だるま式に資産を増殖させることのできる複利運用をはじめてみてはいかがでしょうか。
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