「人生100年時代」子供に教えたいお金の知識

子育て

人は年を重ねるにつれてお金の大切さを痛感するものです。子供ができれば想定外の出費も増えたり、さらに年をとれば老後の生計をどのように立てていくのかということが頭をよぎります。大人になってもっと早くお金のことについて考えておけばよかったと思う人も多くいるかもしれませんが、「人生100年時代」「少子高齢化社会」といった新しい時代を生きる子供たちには親以上にお金についての正しい知識を身につけておかないと、国が守ってくれるという時代は終わって困ってしまうかもしれません。そこで今回は子供に教えたいお金の知識についてお伝えしていきます。

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これまでの日本とこれからの日本

まず最初にこれまでの日本とこれからの日本のお金の考え方についての話をします。

現在の日本で年金暮らしをしているような年代の方は、資産形成の考え方として「良い会社に就職して、会社のためにしっかり働いて、ちゃんと貯金をする」ことが染み付いており、下の世代に対しても、若いうちから貯金をしておけばお金に困ることはないと教えたりしています。

そう考えるのも無理はありません。1950年頃から1980年ぐらいまでは郵便貯金の金利が年4%前後ももらえていたのです。コツコツと貯金をして1000万円貯金すれば、年間40万円の不労所得を得ることができたのです。しかも、徐々に形を崩しかけている終身雇用制度や年功序列という日本企業の文化が合ったため、会社に所属してさえいれば定年まで安泰という状態でした。そんな時代に資産形成をして十分な老後資金も貯めることができたのですから成功体験として次の世代に伝えてあげるのは当然のことでしょう。

しかし、現代は彼らが過ごした時代とは様変わりしています。郵便貯金の金利は年0.001%なので、1000万円を1年間預けたとしても100円増えるだけです。終身雇用制度が今後も未来永劫続くとは思えない風潮となってきていますし、成果主義が採用され年功序列も社会全体として当たり前の制度とは言えない状況になってきています。

これだけの時代の変化があるにもかかわらず、私たちは子供に「良い会社に就職して、会社のためにしっかり働いて、ちゃんと貯金をする」という教育をすることで、子供が一生お金に困らず暮らしていくことができると思えるでしょうか。

これからの時代のお金の知識

ここからはこれからの時代のお金の知識についてお伝えしていきたいと思いますが、実はお金に困らない資産形成の基本方針は今も昔も変わりません。それは収入を安定させて、得た資産を増殖させていくということです。

一昔前までは、その方法が大きな会社に就職して定年まで勤め上げ、収入の一部をコツコツと現金貯金するというものであったただけです。しかし、先ほどもお伝えした通り、現在では会社も貯金もすっかりと変わってしまったこともあり、そんなにシンプルにお金の運用をするということはできなくなってしまいました。しっかりと自分のスキルを磨いて仕事を獲得していき、お金の運用については自分がどのような資産形成を目指していくのかを考えた上で、それに合った投資をしていく必要があります。

現在のこの状況は、知識がある人とそうでない人との格差を広げていくものであると思いますので、子供の頃から正しいお金の知識を勉強していくことは本当に大切なことなのです。

とはいえ、いきなり子供に本格的なお金の話をするのは難しいので、今回は子供にも覚えてもらいたいことを深い内容は省いてお伝えしたいと思います。

お金持ちはなぜお金持ちなのか

普通の人はお金を貯めるのに一苦労しているにもかかわらず、お金持ちはなぜお金をたくさん持ち続けることができるのでしょうか。それは「お金を働かせてお金を増やしているから」に他なりません。もちろん事業で得たお金というものもありますが、お金持ちは、そうでない人よりもお金の働かせ方を知っているということは紛れもない事実であると思います。そうして増えたお金はさらにお金を増やすために働いてということを繰り返し続けますので、お金持ちの資産はどこまでも増えていくのです。

具体的な資産運用の知識がなくとも、この事実を子供に伝えることだけでも子供のお金の教養は高まるでしょう。手元にあるお金を使ってしまってはお金は増えませんので、いつまで経ってもお金の不安からは解消されません。

まとまったお金を貯めて働かせることで、自分自身が働かなくても資産を増やしてくれることを知っていれば、お金の使い方も変わってくるものです。

リスクとリターンの関係を知る

人が働くにも病気や怪我の心配があるように、お金を働かせる場合にもリスクを伴います。そして危険を伴う仕事が比較的高収入であるのと同じで、高いリスクと取ってお金を働かせる場合には、上手くいけば高いリターンがあるものです。

高いリターンを欲しがるばかりに、全てのお金を高リスクの投資対象に投じてしまえば、全ての資産を失ってしまう危険性もありますのでバランスが大切です。

このリスクとリターンの関係を子供の頃から意識していることで、無謀な資産運用をすることはなくなるでしょう。

利回りと手数料

現金貯金でも株式でも債券でも利回りというものがあります。利回りが高ければ高いほどそこに投じた資産は増えていくことになります。この仕組みを子供が理解することで、資産運用をよりイメージすることができます。

そして資産運用の天敵とも言える手数料についても理解が必要です。いくら利回りが高い金融商品であっても、手数料が高ければ元も子もありません。

手数料も考慮した利回りを確認することで、資産がどのように増えていくかを予測することができます。

有効な制度を利用すること

投資する上で発生する税金については国の政策で優遇税制が適用されたりすることがあります。現在であればNISAという制度を利用すれば、NISAの限度額以内の投資であれば非課税になるという投資家に取ってはとても有利な政策です。

このような制度を活用することで、より安定した資産形成が可能であることを子供に教えてあげるといいと思います。

正しい知識があればこれからの時代も怖くない

子供にお金の知識があれば新しい時代がやってきても臨機応変に対応していくことができるはずです。親が子供に残せるものはお金そのものだけではなく、お金の正しい知識もあります。

お金が全てではないけれど、生きていくためにお金が必要であることは大人は身に染みるほど理解していると思いますが、子供にとっては未知の領域ですので、しっかりとした知識を親が教えてあげることで、お金で困るということを回避することができるかもしれません。

正しい知識があればこれからの不安定な時代でも怖がることなく生きていくことができると思いますので、ぜひお子様にお金の教育をしてあげてみてください。

絵本の紹介

おさらをあらわなかったおじさん(岩波書店)
フィリス・クラジラフスキー 文
バーバラ・クーニー 絵
光吉 夏弥 訳

街の外れの小さな家に一人っきりで住んでいるおじさんが、自分で作ったご飯を食べて洗い物をしないということを毎日続けていると、家中がお皿でいっぱいになってしまうというお話です。

その日のお皿を洗うだけであれば大したことはないのですが、それが何日も続くと汚れたお皿が大量になって、簡単に洗うことができなくなるものです。

良いことでも悪いことでも少しずつ積み重ねていくことで、やがては大きなものとなるという教訓を教えてくれています。

今回のお金の話においても資産運用というのは長期的な視点で継続することが大切ですので、この絵本の小さな積み重ねが大きな違いを生むという点と共通しています。

継続の大切さがお子様にも伝わる一冊ですので、ご興味のある方は図書館で探してみてください。

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