わがままな子供をどうしていくか 「みっつのねがいごと」

子育て

みっつのねがいごと(岩波書店)
マーゴット・ツェマック 文・絵
小風 さち 訳

大人でも、子供でも、願いがかなうと聞くとわくわくするのではないでしょうか?

どんな願い事をするかは人それぞれだと思いますが、たくさんお願いしたいことがあることでしょう。こんなお願いをしてしまってもいいのだろうかと思う人もいれば、何も気にせずに自分の願いを叶えようとする人もいると思いますし、お願いする時の気持ちも人それぞれだと思います。

今回紹介する絵本では、欲を出しすぎると上手くいかないことや、今の幸せを感じることの大切さを学ぶことができます。

それでは、この絵本の楽しみ方を解説していきましょう。

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わがまますぎてはいけないよと子供に教えてくれる

このお話は小鬼を助けたきこりとおかみさんが、3つだけ願いをかなえてもらえることになったというお話です。貧しい夫婦は仲良く暮らしていたのですが、3つの願いをかなえてもらえることになり、それぞれがかなえたい願い事を考えましたが、上手く考えがまとまらないうちに、すごくもったいない使い方で2つ目の願い事までを使ってしまいます。

欲を出しすぎて、なんでも欲しがってしまうと、結果としてうまくいかないことが多いと思います。今自分が本当に求めているものは何かが明確になっていれば、なくても困らないものがたくさんあることに気づくことができるでしょう。この絵本ではそんなことを教えてくれているように思います。わがままが過ぎる子供に、わがままばかり言っていると、本当に手に入れたいものが手に入らないよということを伝えるのにはぴったりの内容です。

あれもほしい、これもほしいと、ほしいものをあげていけばキリがありません。それに、全てを手に入れることは非常に難しいので、ほしいものがたくさんあるという状態では、本当に自分がほしいものが分からなくなってしまう可能性もあるでしょう。

わがままを言うことも子供らしくていいですが、度が過ぎるわがままは自分のためにも控えた方がいいことが、この絵本を通じて、子供にも伝わるのではないかと思います。

子供からの本当に必要な要求とわがままは全く別ものです。一見わがままに見えることでも、しっかりと対応してあげないといけないことがあると思いますし、その逆もあると思います。子供の周囲にいる人は、この違いに敏感に反応してあげる必要があります。わがままにいつも応えてあげていると、根っからのわがままな子に育つでしょうし、本当に必要な要求を見落としてしまうと、人に相談することなく、なんでも自分で抱え込んでしまう子に育つかもしれません。とはいっても、身近にいる大人でもその見極めが難しいことがあると思いますので、子供自身がわがままは良くないという意識を持ち、本当に必要なことだけを求めてくるように成長することも大切だと思います。

仲良く暮らすのが一番の幸せかもしれないね

この絵本には、ほっこりしたお話もあります。

3つの願い事のうちの2つを無駄に使ってしまった老夫婦でしたが、その時点できこりの鼻にはソーセージがくっついてしまっています。

最後の願い事で、貧しさから抜け出すこともできたのですが、2人が選んだのは、きこりの鼻からソーセージを取るということでした。

どんなに金持ちになったとしても、一生鼻にソーセージをぶら下げているのでは、楽しくないからこのような選択をしたのでした。

2人はこれまでの生活で十分に幸せだったことに気がついたのでしょう。楽しそうに鼻から取れたソーセージを食べている2人が描かれて、このお話は終わります。

3つの願い事をかなえるチャンスを結果として棒に振ってしまったわけですが、それでも仲良く幸せな暮らしを続ける2人からは、学ぶことが多いのではないかと思います。

子供にも、うまくいかないことがあっても、大切な人との暮らしがあることが幸せだということを教えてくれます。

あなたならどんな願い事をお願いする?

最後になりますが、この絵本のもう一つの楽しみ方として、子供と3つの願い事について、自分たちならどんな願い事をするだろうかという会話をするというものがあります。

大人になると、様々なフィルターがかかってしまって、現実味の低い願い事が出にくいかもしれませんが、子供はなんの制約もない自由な発想で願い事を考えることでしょう。

自由な発想で自分の考えを話すということは、いつまでも柔軟な考えができるようにしておくために必要なことと思いますし、親子の貴重なコミュニケーションを取る時間になるのではないかと思います。

まとめ

この絵本は、子供のわがままを是正し、今の幸せに気付き、自由な発想力を伸ばしていくことができる素敵な作品です。いろんな親子に楽しんでほしいなと思える一冊ですので、ご興味のある方は、図書館で探してみてください。

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