なんでもないようなことでも躊躇してしまう怖がりなお子様をお持ちの方は、お子様の様子をもどかしく感じたり、このままで大丈夫だろうかと思うこともあるかと思います。
怖がりな子供が様々なことに恐怖心を抱くのはなぜなのでしょうか?
今回は、怖がりな子供が怖がる理由と対策について解説していきます。
恐怖心の正体
突然ですが、あなたは近所のスーパーで、ジャガイモと玉ねぎを買ってきてほしいと言われて、買いに行くことができるでしょうか?大人であれば、スーパーでの買い物なんて簡単なことでしょう。
しかし、5歳の子供に同じことを言った時に、半分以上の子は買いに行けないのではないでしょうか。買いに行けない子に無理矢理行かせようとしても、怖くて行きたがらないと思います。
実はここに恐怖心の正体が隠れているのです。
子供における恐怖心とは大抵の場合、「未知」が原因で起こる感情です。
先ほどのスーパーの話でいくと、怖がる子供は、買い物に行って帰ってくるまでの間に、例えば次のような未知の領域を想像することでしょう。
- スーパーまで迷わず行けるだろうか
- スーパーまでの道中での危険なことがないか
- スーパーにどうやって入るのか
- スーパーに怖い人はいないか
- ジャガイモや玉ねぎはどこに置いてあるのか
- お金をちゃんと支払えるだろうか
このような些細な未知の領域がいくつも重なりあって、「一人で買い物にいくのは怖い」という形になってあらわれているのです。
性格的なものもありますので、どんなことにも恐怖心を持たない子もいることでしょう。ただ、恐怖心を持つ子にとって、「知らないこと」が「怖いこと」である場合がほとんどだということをまずは押さえておいてください。
子供の恐怖心の消し去り方
知らないことが恐怖心に繋がるのであれば、知らないことをなくしてあげることで恐怖心を消し去ることができます。正しい情報を子供に持たせてあげることで、子供の恐怖心は少なくなっていくものです。
スーパーの例でいくと、一緒に買い物に行った時に、色々と子供に説明をしてあげることが恐怖心の解消に繋がるでしょう。
道がわかるか子供に聞きながら歩いたり、スーパーまでの道中に知り合いの家が2軒もあるねと子供が安心するような話をしたり、野菜売り場は入ってすぐのところにあるんだよと教えてあげたりすることで、徐々に子供にとって、未知の世界ではなくなってきます。そして、スーパーでの買い物がいつもの光景となってきた子供にとって、スーパーの買い物は一人でできるものへと変化していくのです。
これはスーパーでの買い物に限らず、他のことにも当てはまります。子供が怖がっているということは、未知の世界があるという状態なのだという視点で見ると、何を教えてあげればいいかが見えてくるものです。
知っているからこそ恐るものもあるかもしれませんが、知らないから怖いということもたくさんあると思います。知らないから怖いというものは、知れば怖くないものとなりますので、知らないまま放っておくのはもったいないように思います。
身近な存在が子供のためにできること
海軍軍人であった山本五十六が残した名言があります。
“やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ”
この言葉に今回のテーマである恐怖心の消し去り方が集約されているように思います。
子供は未知の世界に対して恐怖心を抱くため、まずは親などの周りの人がやってみせ、やったことについての説明をしてから、実際に子供にさせてみて、やったことを褒めてあげるということの繰り返しで、恐怖心は徐々に取り除かれていきます。
反対に、間違ったアプローチを続けていては、いつまで経っても子供の恐怖心が消えることはないでしょう。子供が何かに怖がっているときに、「怖がるな!」というような根性論を振りかざすのではなく、今回紹介したような方法を是非活用してみてください。
絵本の紹介
今回のテーマを子供に感じてもらうための絵本を紹介します。
この絵本は、みんなでどろんこになるお話です。
カエルやネコといった動物たちが次々とどろんこに飛び込んでいき、真っ黒になっていきます。
そんな動物たちに続いて男の子もどろんこに飛び込みます。
最後にはお母さんまでどろんこになるという、とても愉快なお話です。
動物たちがどろんこになる様子が楽しそうだと思って、男の子も飛び込んだのでしょう。
どろんこになったみんなを見て、恐怖心より好奇心が上回った男の子の姿は、今回のテーマと合致する部分があるように思います。
ご興味のある方は、図書館で探してみて、お子様に読み聞かせをしてあげてはいかがでしょうか?
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