今回紹介する絵本は、人とくまの遠足を描いた面白いお話です。
くまと同じ日に遠足に出かけてしまったつんつくせんせいたちが、くまたちにばったり出会ってしまうのか、それとも出会わないのか、楽しくも、ハラハラドキドキする内容となっています。
人とくまがそれぞれに遠足を満喫する中で、不自然なことがたくさん起こっているのですが、みんな楽しくてそんなことにはお構いなしです。人とくまの2組が織りなす、ちょっと笑える物語は、お子様の想像力を育んでくれることでしょう。
山の家に遠足にやってきたつんつくえんのみんな
つんつくえんのみんなは山の家に遠足に出かけました。
森の中で迷ってしまうのですが、先生がやっとのことで家を見つけます。
ここからは「3びきのくま」と同じ展開が続きます。
みんなでスープを飲み、その後に先生がイスを揺らすとイスが壊れます。そして、ベッドで眠りについてしまします。
3びきのくまを知っているお子様なら、あのお話に似ているねというお話ができると思いますし、知らないお子様も、3びきのくまを読むきっかけになるかもしれませんね。
つんくまえんのくまと急接近
つんつくえんのみんなが眠っている頃、つんくまえんのくまも山の家を目指して歩いていました。
そして、つんつくえんのみんながいる家に入っていきます。
しかし、ちょうどその時、眠り終えたつんつくえんのみんなは、お散歩に行くために外に出ました。なぜか窓から。
そのため、つんつくえんのみんなはつんくまえんのくまたちと出会うことはありませんでした。
このあたりからのすれ違いにお子様たちもドキドキしながら、次の展開に胸を膨らませることになると思います。
家の中の様子にびっくりするくまたち
つんつくえんのみんなが出ていった家に入ってきたくまたちはびっくりしました。
空っぽのお椀やイスにかかったリュック。くしゃくしゃのベッド。
くまの先生は人間の山の家にきてしまったことに気がつき、くまの山の家を目指しました。
そして、山の家に辿り着き、つんつくえんのみんなと同じように、スープを飲み、イスを壊し、ベッドで眠ります。
毎回間違える人とくま
その頃、散歩に出かけていたつんつくえんのみんなは道に迷いながらも山の家を見つけました。
もうお分かりと思いますが、それはくまのいる家だったのです。
つんつくせんせいを先頭にその家に入ろうとしたときに、くまたちはお散歩に出かけました。なぜか窓から。
両者はまた出会いませんでした。
くまが過ごしたその家は、自分たちが過ごしたのと同じように、空のお椀があり、壊れたイスがあり、くしゃくしゃのベッドがあったので、誰もさっきとは違う家に入ったことに気がつきません。
違うのは部屋に置いてある置物だけです。
散歩に出ていたくまたちも道に迷ってしまい、やっと見つけたのがつんつくえんのみんなが最初に行った山の家でした。
くまたちも、先ほどと違う家に入ったことに気がつかず、楽しく過ごしました。
想像力を刺激する両者のすれ違い
このお話では、人とくまが何度も出会いそうになりながら、最後まですれ違い続けます。
子供たちは、鉢合わせになりそうな瞬間で、くまをみたときのつんつくえんのみんなが驚く姿や、くまがどんな反応をするかという想像を無意識のうちにするかもしれません。
そのときに感じるドキドキ感は子供たちの想像力を育ててくれるものだと思います。
わかりやすく楽しいお話の中に仕込まれている心揺さぶられる展開に、お子様も喜んでくれること間違いなしの一冊ですので、図書館で探してみてください。
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