子育て中の親御さんの中には、弱気な子供にもっと強い気持ちを持ってもらいたいと考える方も多いのではないかと思います。もちろん生まれ持った性格的な面も大きいですが、周囲からの働きかけによっても大きく影響を受けることも確かです。そこで今回は弱気な子供に強い気持ちを持ってもらうためにどうすればいいのかということについてお伝えします。
弱気になる原因を考える
弱気な子供の気持ちを強くするためには、まずその原因を知ることが大切です。周りが自分よりも優れていると感じて自信が持てない。失敗するかもしれないことを誰かに見られていることが恥ずかしい。こういったことが原因と考えることが多いのではないでしょうか。
ですが、ここでポイントとなるのは、原因をもう少し掘り下げるということです。例えば、誰かに見られるのが恥ずかしいという場合には、なぜ失敗することを見られることが恥ずかしいのかということを考えます。そうすると、失敗することはカッコ悪く周りからダサいと思われるといった、その先にある気持ちというものが見えてくるのです。
周りが自分よりも優れていると感じて自信が持てない場合も、掘り下げてみると同じようなところへ行き着くかもしれません。
子供にわかるように分類する
次はできるだけ深くまで掘り下げた原因を子供と共有します。自分が自信が持てないのは、周りよりも劣ってしまっており、それはカッコ悪いことだという考えを持っているからだということを自覚してもらいます。
ここで親が気をつけたいことは、「事実」と「思い込み」を分けるということです。
何かをした結果、他の子供よりも劣っていたということがあった場合、それは「事実」です。一方で、他人より劣っていることがカッコ悪いと思うことは「思い込み」であり、ひとつの「考え方」ということができます。
「事実」の部分を変えていくには、練習や勉強といった訓練が必要となることでしょう。同じように「思い込み」の部分についても、日々の暮らしの中から考え方を変えていくということが必要ですが、実は親も子供と同じような考え方をしている結果、「事実」の部分ばかりに目がいき、結果を出すことでしか自信を付けさせることはできないと考えがちです。
結果を積み重ねることで、当然自信は付いていきますが、「思い込み」を改善することでも、余計な不安を感じずに、目の前のことに臨めるようになっていきます。
なぜそう感じるのかを一緒に考える
「事実」と「思い込み」の分類ができたら、「思い込み」の部分について、なぜそう感じるのか、どう考えていけばいいのかということを子供と一緒に考えます。
失敗はカッコ悪いという考えがあるのであれば、他の子が失敗したらカッコ悪いと思うのかということを考えます。他の子が失敗するのを見てカッコ悪いなと思うようであれば、今回の話以前の問題となると思いますが、たいていの子はそうは思わないと言うと思います。
そうやってどこに根本的な原因があるのかを考えていくと、過去に失敗を笑われたことがあるといったような、「思い込み」が始まった原因が見えてきます。
対象がはっきりとしたらアドバイスをする
そういったものが見えてきたら、乗り越え方についてアドバイスしてあげます。笑われた経験があったとしても、その後に何か不利益を被ったかというとそうではない場合がほとんどだったりするので、笑われたとしても、覚えているのは自分だけで、案外周りはすぐに忘れるものだよというようなアドバイスをしてあげると子供は安心するかもしれません。
このように、今目に見える子供の反応だけを見てアドバイスをするのではなく、背景にある原因を突き止めて、自分の思い込みだったんだなと子供が思えるような声かけや接し方をしてあげることで、徐々に子供の心境にも変化が訪れます。
そのような視点を持ってアドバイスをしてあげれば、子供も納得ができますし、自分の行動ではなく、捉え方を変えればいいんだと少しハードルを下げてあげることもできます。
子供が弱気だと親としては、もっと強気でいこうというストレートな声かけをしてしまいがちですが、子供の考えをしっかりと理解してあげて安心させてあげるアドバイスをしていくことが大切です。
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