ダメ、ひとりじめ 「たまごがいっぱい」

子育て

たまごがいっぱい(理論社)
寺村輝夫 原作
和歌山静子 構成・絵

テーマ:ひとりじめしちゃダメ

子供ってどうしても自分のことが最優先で、周りの人の気持ちを考える余裕がないことがありますよね。

いじわるをするつもりがなくても、周りの子にとってはいじわるに感じることなんてよくあることではないでしょうか?

今回紹介する絵本の主人公の王さまはまさにそんなタイプです。

自分のことしか考えておらず、自分さえよければいいと考えている人が、周りからどのように思われ、どんな目に合うのかをコミカルに表現してくれているお話で、お子様の社会性を身に付けるのにぴったりの一冊です。

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たまごが好きな王さま

たまごが好きな王さまは、ある朝、こんなに美味しいものを他の人に食べさせるのはもったいないということを考えました。

そこで、王さまは国中のみんなにたまごを食べてはいけないということを言い出し、お城のめんどり以外はたまごを産んではいけないというとんでもない命令を出しました。

国中のみんなが不満を募らせる

王さましかたまごを食べてはいけないことになり、国中がひどい騒ぎになりました。

たまごを産めないめんどりは文句を言い、子供たちは卵料理が食べたいと言い始めて、それを聞いたお母さんは困ってしまいました。

そして、卵料理が作られなくなって、仕事がなくなってしまったフライパンも不満ため込んでいました。

空気が読めない王さま

こんな状況にもかかわらず、王さまは自分が卵焼きを食べる様子をテレビで放送します。

王さまは自分の幸せが国中の幸せだと、とんでもない勘違いをしていたのです。

なかなかすごい感覚を持った王さまです。これでは国中の不満は高まるばかりです。

実際の世界でも、こんな王さまがいればフランス革命のように、遅かれ早かれ暴動が起きそうですよね。

フライパン、行きます!

そんな王さまに、怒りを爆発させたのは、人ではなく、意外にもフライパンでした。

フライパンは城に乗り込んで王さまに文句を言うと、王さまも黙ってはいませんでした。

部屋にあったものを手当たり次第、フライパンたちに投げつけました。

フライパンの怒りはさらに高まり、真っ赤に焼け出して、部屋の中は暑くなりました。

にわとり大量発生

部屋の中が暑くなると、宝石箱の中に入れられていた王さまが明日食べる予定の2個のたまごから2羽のひよこが産まれました。それどころか、2羽のひよこは、あんまり暑いので、すぐに親鳥になりました。

そして、すぐにたまごを産み、そのたまごからすぐにひよこが産まれ、ひよこはすぐに親鳥になります。そしてその親鳥がたまごを産み…と繰り返され、部屋中が親鳥とひよことたまごでいっぱいとなり、王さまは踏み潰されてしまいました。

王さまは謝ってみんなにたまごを食べさせることにしたので、フライパンは怒るのをやめて、暑かった部屋の温度が下がったので、めんどりはたまごを産むのをやめました。

部屋中に溢れたにわとりは、窓から飛び出して国中に散らばっていき、人々のもとに卵料理が戻ってきたというお話でした。

自分勝手な行動は必ず自分に返ってくる

この絵本は、自分勝手な王さまが、国中の人々からたまごを奪い、反感を買うというお話です。最後には、フライパンとにわとりたちにコテンパンにされてしまいます。

現実の世界でも、誰かの身勝手な言動が、誰かを傷つけたり、困らせたり、幸せを奪い取ってしまうことが起こることがあります。

このお話を読めば、子供たちは自分勝手ではいけないなと感じることでしょう。

他人のことも考えて行動できようになるための教科書のような一冊ですので、ご興味のある方は図書館で探してみてください。

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