子供には固定観念がないため、大人には考えられないような想像力を発揮することがあります。様々なことを経験した大人は無意識のうちに、ついつい子供の想像力を発揮する場面を奪ってしまうことがあるように思います。
今回紹介する絵本では、子供たちが想像力を爆発させています。子供の底無しの想像力を実感するとともに、子供にもっと自由な発想を持っていいんだということを教えてくれるお話です。
豊かな想像力を持つことは、人生を豊かにしてくれますし、困難なことに遭遇した時にも、必ずや手助けをしてくれます。
そんな絵本について紹介をしていきます。
衝動的な子供らしさ
このお話は、芋掘り遠足が雨で延期となり、みんなで芋の絵を描いていろいろな想像をするという内容です。
芋の絵から広がる子供たちの壮大な空想が、この絵本の一番の見所ではありますが、芋掘り遠足が延期という先生の話を聞いた子供たちの反応も素敵です。
遠足が延期と聞いた子供たちは、口々につまんないと言って、傘をさしていけばいい、長靴を履いていけばいい、かっぱを着ていけばいいんだと言い出します。
芋掘り遠足ですので、大人であれば、雨が降っていれば行くことができないと当然のように思うでしょう。しかし、子供たちは楽しみにしていた遠足が諦めきれません。この諦めない姿が子供らしくて、とても素敵です。
雨だったらこうやっていけばいいというのも、想像力があるからこそ思いつくものですので、こんなところにも子供の想像力が表現されているのだと思います。
先生の言葉から始まる空想の世界
遠足の延期が諦めきれない子供たちの気持ちを落ち着けるために、先生がお芋は一週間の間にもっと大きくなって待っていてくれるよという話をします。先生も駄々をこねる子供たちを上手にコントロールして素晴らしいです。
しかし、この先生の言葉が子供たちの想像力に火をつけます。
みんなで、そのお芋はどのくらい大きくなっているのかなとみんなで考え始めます。
そして、たくさんの紙をつなげて大きな芋の絵を描いて、その絵でどこまでも空想を広げていきます。
想像力は楽しさの原動力
大きな芋の絵を描き、その絵で様々な空想を繰り広げる子供たち。本物の芋掘り遠足に行くよりも楽しんでいるんじゃないのと思えるような盛り上がりを見せます。
子供たちが自分たちの想像力を働かせることで、何もないところから楽しさを作り出す姿は、とても刺激的ですし、お子様にこの絵本を読んであげることで、空想の楽しさを感じてもらうことができます。
想像力は楽しさの原動力ということを教えてくれますし、本来子供に備わっているそんな力を引き出してくれる一冊です。
楽しいお話の中に、幼少期に大切なことがギュッと詰まった、学びの多い絵本ですので、ご興味のある方は、是非図書館でこの絵本を手に取ってもらい、お子様に読み聞かせをしてあげてください。
コメント