新型コロナウイルスの流行で世の中が厳重な感染症対策を行うようになりましたが、その中の一つに検温があります。幼稚園・保育園や学校から毎日の体温測定を義務付けられている子供たちも多いと思いますが、そこで子供の体温が低いということに気がついたという方もおられるかもしれません。子供の低体温は決して喜ばしいことではありません。そこで今回は子供の低体温についての基礎知識と対策についてお伝えします。
子供の低体温がなぜ問題か
まず最初に子供の低体温の何が問題なのかについてお伝えします。
子供に限った話ではありませんが、低体温によって以下のような体の不調が起こると言われています。
大人にとっても嫌なことばかり並んでいますが、成長期の子供が低体温でこれらのような不調があると、活発な活動ができずに丈夫な体づくりができなかったり、学習にも支障をきたすことになりかねません。ですので、低体温の子供はできるだけ早く低体温の原因を取り除いてあげる必要があるのです。
子供の低体温の原因
子供の低体温の原因は一言でいうと「自律神経の乱れ」です。体内の環境を正常な状態に整えてくれる自律神経が上手く働いていないために、体が本来の調子を失い不調となるのです。
大人であれば仕事や人間関係のストレスで自律神経が乱れるという話はよく聞きますが、一見すると毎日楽しそうにしている子供が低体温という場合にはどこに自律神経が乱れる要素があるのでしょうか。
それは子供の生活習慣にあるのです。子供の生活習慣を見るときのポイントは「睡眠」「食事」「運動」の3つです。これらのいずれかでもバランスが崩れると自律神経の正常な働きに支障をきたします。次にこれらのバランスがどのように崩れていくのかについて解説していきます。
子供の生活習慣はこうして崩れていく
子供の「睡眠」「食事」「運動」のバランスがどのようにして崩れていくのかを具体的に事例をあげていきますので、当てはまるものがあれば、改善できないかを考えてみてください。
睡眠
睡眠時間が少ない子供の原因として考えられるのは、「娯楽」と「学習」です。
夜間のテレビ視聴やゲームに熱中していると、どうしても寝る時間が遅くなってしまいます。そして楽しいことは習慣化しやすいので、それが当たり前の日常として繰り返されてしまうのです。最近ではスマホやタブレットも普及していますので、そういったものを寝る前に見てしまい、寝る時間が遅くなったり、寝つきが悪くなったりすることもあります。
また、家庭での受験勉強や塾に通うということも睡眠時間の確保に影響を与えている場合があります。遅くまで塾で勉強を頑張って家に帰ってくると遅い時間になってしまうのは仕方ありませんが、家に帰ってからできるだけ早く就寝したり、塾のない日は早く寝るように心がけることで、自律神経の乱れを最小限に抑えることができます。そういったことはパフォーマンスの向上にもつながりますので、学習にとっても悪いことではないと思います。
食事
食事について気にすべきは、子供が朝食を食べているかどうかということです。人間の体は食べたもので作られているので当然といえば当然なのですが、朝食を食べないと体力がつかないということが言われています。
もちろん朝食だけではなく、昼食や夕食もバランスの良い食事をしっかりと食べることが成長期の子供にとってはとても大切なことであります。
運動
人間の体の中で一番熱を生み出してくれるのは筋肉です。その筋肉は運動によって鍛えられますので、運動をあまりしない子供は筋肉が少ない傾向にあるため、低体温であることが多いです。
運動が少ない子供は、しっかりと体を動かして、体を鍛えることで体温が上昇する可能性がありますので、外で遊ぶ機会などを作ってあげるのが良いでしょう。
大切なのは生活習慣のバランス
ここまで「睡眠」「食事」「運動」それぞれについて見てきましたが、実はこれらは別々のものではなく、相互に関連し合っているのです。睡眠が少なければ、日中も眠たく活発に運動ができず、お腹もあまり減らないということが考えられますし、運動が少なければ体が疲れていないためなかなか眠れないということもあるかもしれません。
つまり、生活習慣のどこかに問題が生じれば、全てに影響を及ぼす可能性があるということです。そのため、どれか一つでも問題があるということに気づいた時点で対策を講じていく必要があります。
このような視点で子供の生活習慣を適切な状態に保つことで、自律神経の乱れも改善され、低体温の子供も体温が上昇してくることでしょう。
今回紹介したことを参考にしていただき、お子様の健やかな成長のサポートに役立てていただければと思います。
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